ケイナ
わたしはコンピューター・グラフィックを使った映画がきらいである。
最近のアメリカ映画は、CGと実写を組み合わせた映画ばかりなのでちっともおもしろくない。
「ベン・ハー」 だとか 「スパルタカス」 のような、かってエキストラとスタントマンを使い、物量作戦で押しまくった歴史大作は、現在ではみんなCGである。
「史上最大の作戦」 や 「バルジ大作戦」 のような戦争映画も、ドンパチはみんなCGで、OO7みたいな活劇も、車が飛んだり船が爆発するようなシーンは全部CGである。
SFやファンタジーになると、もともとCGをいちばんお得意とするところだから、もっとひどくなる。
CGでどんな宇宙人でも怪物でも (液体人間だろうが気体怪獣だろうが) 作れてしまうから、ヒツジにダチョウの足をつけたり、トカゲとヒトデを合体させたり、もうありとあらゆる魑魅魍魎が氾濫し、話がますます荒唐無稽になっていく。
ビリー・ワイルダーやベルイマンやキューブリックなどなど、古典的名画を愛するファンに、こんな映画を観て感動しろというほうがムリである。
最近、NHKのBSで 「ケイナ」 という映画が放映された。
なんか思わせぶりなタイトルなのでつい録画してしまったが、あとで観てみたら、これは全編にCGを使ったアニメ映画だった。
CGのきらいなわたしであるが、アニメとなると事情がことなる。
調べてみたらこれはフランス産のアニメだという。
フランスやイタリアには美少女が活躍するコミックの伝統があって、 日本の宮崎駿などのアニメと比べると、いずれもヒロインがどこかイロっぽくて、ロリコンおじさんたちをひきつける魅力をもっている。
「ケイナ」 でも、主人公は半裸で飛びまわる少女で、顔立ちはナオミ・キャンベルのような黒人モデルに似ている。
おさなげな顔におっぱいだけが巨大なのは、日本のアニメの影響だそうだ。
つまらないものに影響を与えたものだ。
それでもヒロインがかわいいってんで、とうとう最後まで観てしまったわたしも、そうとうのオタクのようである。
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