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2007年7月 1日 (日)

こういう社会

防衛相が 「原爆投下しょうがない」 と言ったそうだ。
朝日新聞に発言の要旨が載っていて、それを読むと、ひとつの個人的な発言として容認できる範囲のもののように思える。
ところがさっそく言葉の一部だけをとらえて、けしからんという世論が喚起されつつある。
いいかげんにしたらどうだというのはわたしだけか。
大臣というのは型にはまった発言しかしちゃいけんのか、おい。

同じ日の朝日新聞の投書欄にこんな発言が載っている。
長いので要約してあるが要旨は以下のとおり。
《生活保護を受けている母子家庭です。中学生と大学生がそれぞれ2人います。大学生はともに家を出て、奨学金とアルバイトで頑張っています。》
ところが福祉事務所から、ほんらい子供の大学進学は認められない。
進学するくらいなら家に仕送りをすべきだという通告があったそうである。
国立大学に通う長男はアルバイトを頑張ったら学費免除が取り消されたそうだ。
次男は私立なので学費、生活費、アパート代がかかるし、2人ともバイトと奨学金でのやりくりで、仕送りなんて不可能だそうだ。
当然だろう。

この母親という人は、自分もパートの調理員として働いているそうだが、去年調理師の免許をとったにもかかわらず、時給725円、1カ月働いても9万円にもならないという。
この月給に生活保護と児童福祉手当てを加えた18万円で、残された中学生の子供と母親の3人がなんとか生活しているらしい。
どうやら家族全員が向上心をもって必死で生きている家庭のようであるけど、それに比べて福祉事務所の型にはまった仕事ぶりはどうだ。
母親はいう。
《親にお金がないと本人が頑張っても駄目なんでしょうか。》

政治家の発言の一部を取り上げて騒ぐより、こうした悲惨さのほうに目を向けるべきではないかい、おい。

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