ケヤキ並木
大沢村の一角に古いケヤキ並木がある。
古色蒼然としたそのたたずまいは、この木がこのあたり出身の新撰組局長・近藤勇の波乱の生涯までながめていたんじゃないかと思ってしまう。
最近この木を所有する民家の塀が、ケヤキの外側から内側に移動する工事が始まった。
どうやら道路拡張のために塀の位置をずらしているらしい。
ということは、ケヤキも切り倒されてしまうんではないか。
おいおいと、大沢村の自然を守る会の単独おせっかい委員であるわたしは叫ぶ。
この並木のある街道には、100メートルほどはなれた場所に、立派な歩道までそなえた自動車道が平行しているのである。
それなのになんで古い並木道を改造する必要があるのだ。
ケヤキを切るのは一瞬だが、いったん消滅した風景をもとにもどすのはほとんど不可能なんだぞ。
心配になって調べてみたら、「野崎西まちづくりニュース」というホームページが見つかった。
http://www.mitaka.ne.jp/tmo/publication/nozaki_news/no3/kentou.html
このホームページの中に
《地域の財産でもある人見街道の「ケヤキ」を大切に保全し、沿道緑化をはかり、常に緑のうるおいを感じられるよう街並みを創設する》
という目標がかかげてある。
どうやらケヤキが切り倒されてしまうという心配は杞憂のようである。
現代では(ようやくというか)、魚の棲まない河川工事や水のしみこまない道路建設など、合理性ばかりを追求した土木工事に反省のいろがみられるようになって、各地で人間性を優先した工事が見直されているようだ。
ケヤキ並木を維持したまま、このあたりの景観がどう変貌するか、注意しながら見守っていくことにしよう。
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