お盆
お盆は人なみに田舎に帰省して墓参りをしてきた。
わたしはあの世なんか信じてないし、儀礼ばったことが大きらいだから、呑ン兵衛だった親父の墓にビールをそそぎ、そのあと自問自答して終わりである。
ついでに世話になった親戚のおじさんの墓と、同じ場所にあるおさななじみの女の子のお父さんの墓にお参りしてきた。
おさななじみというのは、子供のころ、わたしの家のとなりに住んでいた人である。
彼女が結婚してから、同窓会でぐらいしか会ったことがないけど、甘酸っぱい思い出はいまでも残っている。
墓参りをするたびにそういうことを思い出すので、お盆というのはけっきょく、生者が自分をなぐさめるためにあるものだと考えている。
田んぼにはイネが風にそよぎ、空にはあのころと同じ白い雲がうかんでいた。
暑い暑い夏の日の故郷である。
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