ザリガニ
今日はひとつ変わった趣向でいこうと、まずコンビニに行ってスルメの足を買ってくる。
これと糸をもって近所の田んぼへ出かける。
前日に確認しておいたのだが、今年はザリガニが豊作のようである。
童心にかえってやつらをからかってやろうというのだ。
魑魅魍魎のばっこするわたしの住まいの近所には、ホタルを養殖している水路がある。
ホタルの幼虫はカワニナという小さな巻貝を食べるので、この貝を放流したり保護したりして棲息環境を守っているのである。
同じ水路にザリガニがいる。
ザリガニはホタルの幼虫の天敵だという。
幼虫の餌のカワニナを増やしても、増えた幼虫をザリガニがせっせと食べる。
おかげでホタルが全滅した年もあったそうだ。
これは困った問題である。
わたしはホタルもザリガニも、ゆたかな自然環境の象徴のように思っているので、痛しかゆしである。
田んぼのわきの水路に、糸でしばったスルメをたらしてみた。
最初、かげもかたちもなかったのに、すぐ灰色の小さなザリガニが何匹かあらわれた。
ただ、こいつらは敏捷で釣り上げるのはむずかしい。
つぎに水中に沈んでいる板のわきにたらしてみた。
まもなく板の下から、赤い大きなザリガニが姿をあらわした。
そのうちもう1匹大きなやつがあらわれた。
食い意地がはってるうえにハサミの力が強いから、水から引き上げてもまだスルメをつかんでいる。
2匹いっしょに釣り上げて記念写真を撮る。
子供のころならそのまま家に持ってかえって、ナベでゆでて食べたものだが、飽食世代のわたしにはさすがにもうそんな気はない。
2匹とも無事に放免してやった。
写真はスルメの足を奪い合うザリガニ2匹である。
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