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2007年9月 2日 (日)

朝鮮の王妃

朝日新聞が 「東アジアの150年」 という企画で、かなりおおがかりな特集を組んでいる。
なにしろアノ朝日新聞のことであるから眉にツバつけて読まなくっちゃいけないけど・・・・・・

先日はここに、日本人によって暗殺された朝鮮の王妃ミンビ (閔妃) のことが載っていた。
なにかと騒がしい日韓関係だけど、ともすれば日本人が無視しがちなこの王妃のことも、ちゃんと知っておかなければ片手落ちというものだ。

ミンビは李朝の第26代王・高宗の妃であると、これはウィキペディアに出ている。
彼女は日清戦争後の1895年に、当時朝鮮を支配下におこうと企てていた日本人に、王宮内で惨殺された。
他国の王宮に乱入して王妃を殺すような暴挙が許されるはずはないけど、原因となったのは彼女が親ロシア派の代表であり、親日本派である義父の大院君とも対立していたからである。
日露戦争をまぢかにひかえた日本としては、目ざわりな王妃を処分しておきたかったのだ。

李氏朝鮮というのは中国型の王朝で、日本の天皇制とはだいぶ異なる。
当時の日本は (まがりなりにも) 法治国家であり、制度としては立憲君主制で、天皇といえどもそのひと言で政治や法律を思うように変えられるわけではなかった。
中国型の王朝というのは、早い話が人治国家、ようするに国王のひと言で他人の首でもなんでもかんたんに切れる国なのである。
こういう国では、コネやおべっかで政治が決まるということもよくある。
中国や朝鮮の王朝では権謀術策がうずまき、王朝内部でさえ権力抗争が絶え間なかった。

韓国では最近ミンビの復権が目立つらしい。
ミュージカルや演劇の世界で、ミンビが明成皇后という名で、日本人に惨殺された悲劇の王妃として取り上げられているようである。
わたしにわからないのは、あれほど日本人に敵がい心をしめす朝鮮人が、日本の天皇制に対抗してなぜ李氏王朝を復活させなかったのか、いまごろ取り上げるならなぜこれまでそうしなかったのかということである。
北朝鮮は社会主義国だし、そもそも旧弊な王朝がとって替わっただけだから望むべきもないけど、韓国にはそうするだけの十分な時間があったんじゃないか。
これは、たぶん朝鮮人自身が王朝の本質をよく知っていたからではないかと、つい思ってしまう。

朝鮮の王朝は、国の発展を阻害し、民衆を抑圧搾取したいまわしい存在で (と、これはそのころ朝鮮を旅した客観的第三者である英国の女性イザベラ・バードも書いている)、官僚は汚職にまみれ、民衆のあいだには無気力が蔓延していた。
儒教の弊害について、ちょっと歴史を勉強した者なら誰でも知っているはずだ。

暗殺などという手段をわたしは肯定しないけど、ミンビも国民の血をすう吸血鬼のひとりであって、本来なら朝鮮民衆の手で倒されるべき存在だったのではないか。
記憶がそうとう薄れた昨今になって、韓国人が映画や演劇の世界で自らの王朝を美化するのは自由だが、それはあくまでフィクションであって、アノ朝日新聞がそれをまた自虐史観の宣伝に使うなら、これは捏造以外のなにものでもない。
当時の朝鮮がどんな国だったのかを伝えるのも報道機関の役割ではないか。
アノ朝日新聞にはぜひ正確な報道をお願いしたいものである。

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