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2007年9月11日 (火)

誤解

わたしは音楽が好きで、好きな音楽はジャンルを選ばない。
童謡や唱歌も好きである。
唱歌というと、最近学校でもあまり教えないのか、近ごろの若者はよく意味をとりちがえているというのが話題になる。
たとえば 「赤とんぼ」 の歌で、“負われて見たのはいつの日か” という歌詞を、“追われて” だと思っていたとか、「故郷」 の歌の “うさぎ追いしかの山” を、ウサギが美味しいと解釈していたとか。

下は詩人サトウハチローが作詞した 「うれしいひなまつり」 という童謡の2番なんだけど
  お内裏様と おひな様
  二人ならんで すまし顔
  お嫁にいらした 姉様に
  よく似た官女の 白い顔
べつに深く考えずにこの歌を聴いて、この歌詞をわたしは “お嫁にいった姉様に” だと思い、この歌はお嫁にいった姉をしたう (たぶん年のはなれた) 弟のさびしい心情をうたった歌だろうと思っていた。
そう考えても納得できるくらい、この童謡にはあわい悲しみの感情がある。

ところが本で調べると、お嫁に行ったのではなく、お嫁にいらしたという歌詞が正解らしい。
たしかに前後の歌詞を読んでみると、2番だけにそんな感傷がこめられているのは唐突で違和感がある。
どうやら同じ童謡に 「花かげ」 という歌があって、こちらはズバリ、お嫁にいった姉をしたう妹の歌である。
これもわたしの好きな童謡なのでイメージが重なってしまったようだ。

しかし、世間には “いらした” のままで、わたしの誤解と同じように解釈する説もあるらしい。
ネットで調べたら、やはりこの部分は、作詞者のサトウハチローが18歳で死んだ姉の追悼の意味をこめたんじゃないだろうかという意見がみつかった。
さてどうなんだろう。

そんな意見はともかく、わたしはこの歌が好きである。
うたうときはもちろん “お嫁にいった姉様に” という歌詞でうたう。
大のおとながぼんやりと中空を見つめて、(涙ぐみながら) 童謡を口ずさんでいるなんてあまりカッコいい景色じゃないけど。

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