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2007年9月 8日 (土)

島崎藤村

朝日新聞の土曜版に 「愛の旅人」 というシリーズが載っている。
これは古今東西のさまざまな著名人の恋愛をとりあげたもので、たまにおもしろい内容もあるから、最近はとんと恋愛に縁のないわたしであるけど、まあ、読み逃さないように注意しているものである。

9月8日のそれは島崎藤村と、彼が若いころ恋をした佐藤輔子 (スケコと読む) のエピソード。
島崎藤村というと、小説家でもあり詩人としても有名で、スケコさんとの恋も小説にしているくらいだけど、現実にはこの恋は最初からぜんぜん相手にされなかったもののようだ。
まあ、詩人なんてのは青白き文学青年の代表みたいなもんで、いまでいうオタクみたいな人が多いから、もてなかったとしても不思議じゃない。
まして北村透谷らと組んで、人生は恋愛だなんて叫んでいたんじゃ、もてないのもアタリマエ。
藤村とおなじタイプのわたしがもてなかったのも当然といえば当然か。

そんなこと言ったって、藤村は世間の認めないけっこうヤバい恋愛をしているじゃないかという人がいるかもしれない。
しかしそれは彼が有名になってからの話で、しかも相手はそう簡単に逃げられない弱みがあった。
そういう事件も小説のネタ探しが目的だとすれば、藤村もなかなかやるなという印象だけど。

文学青年のはしくれとして、わたしも藤村の小説 (「破戒」 あたり) を読もうとしたことがある。
ただし、ぜんぜんおもしろくない小説なんで、何度挑戦しても、だいたい1/5あたりでうんざりして投げ出してしまった。

詩のほうがまだましである。
藤村の詩の中にはわたしも愛唱するものがいくつかある。
ただ若菜集のような、スケコさんにふられたころの詩はあまりによく出来すぎていて、口ずさむにはいいが、感情がストレートにつたわってこない。
千曲川旅情あたりになると、今度はオタクとは正反対の、ひじょうに剛直で堂々としたものを感じてしまう。
女なんかに興味はねえよってな感じ。
島崎藤村という人はどうもよくわからない人である。

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