最期の12日間
友人と酒を飲んだら、彼がわたしのブログを、NHKの宣伝ばかりしていると、まあ、誉めたんだかけなしたんだかわからないことを言った。
それは仕方ない。
わたしは “下らない=グダラナイ” 民放の番組をほとんど観ない人間なんである。
昨夜のBSでは 「ヒトラー・最期の12日間」 という、比較的最近の映画が放映された。
第二次世界大戦末期のベルリン陥落を描いた映画で、世間の評判もわるくなかったようだけど、ヘソ曲がりのわたしはあまりいい映画とは思わない。
沈痛な内容をまっ正面から沈痛に描くのは誰にでもできることである。
この映画を観てフォルカー・シュレンドルフ監督の 「ブリキの太鼓」 を思い出したが、そっちはユーモアと寓意に満ちており、作品の価値ははるかに高かった。
だいたいドイツ軍の軍服を着たままの女性が、包囲するロシア兵のあいだをすりぬけるようにして脱出なんか出来たんだろうか。
わたしは昔、シャイラーの 「第三帝国の興亡」 を読んだことがあり、ナチスの宣伝相だったゲッベルスの死に感動(しちゃいけないのだが)したことがある。
そういうわけで最後の12日間の混乱についてもかなりのことを知っていて、この映画に描かれていることは、その本によるところも多いんじゃないかと考えてしまう。
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