ひさしぶりの散歩
1週間ばかり部屋にとじこもっていて、ひさしぶりに散歩に出かけてみた。
うちの近所には高級な人種が住んでいるらしく、いつもの散歩道には、血統書つきの高級そうなイヌを散歩させている人が多い。
へそ曲がりのわたしは、血統書つきの雑種犬を連れて彼らのあいだを闊歩してみたいと思ってしまう。
かって巷にあふれていた日本の誇り高き雑種犬はどこへ行ったのだろう。
ぶらぶら歩いていると、どこかからかすかにキンモクセイ (金木犀) が匂ってきた。
しかし花はまだ黄色くなっていない。
10月6日でこれじゃ、今年はちょっと花が完熟するのが遅いようだ。
道路のはじではセイヨウフウチョウソウ (写真上) が排気ガスをあびていた。
なんでこんなややこしい長い名前をおぼえているかというと、もう故人になったある友人の家に咲いていて、何度か遊びに行ったおりに興味を持ったことがあるからである。
セイヨウフウチョウソウは、漢字で書くと 「西洋風蝶草」 となるので、こっちのほうでおぼえるほうがおぼえやすい。
近所の園芸農家ではトケイソウ (写真下) の花を見かけた。
名前はべつになんてことがないけど、花の形がずいぶん変わっているのでおぼえやすい花である。
この仲間にパッションフルーツがあり、これは作曲家の團伊玖磨さんが、随筆 「八丈多与里」 でふれていたのでおぼえていた。
むかし八丈島に行ったとき、ぜひこの花を見たいと思ったんだけど、地元の人に訊くと、あんなものはどこにでもあるよと言われただけで、けっきょくいちども見つけられなかった。
仕方がないからパッション・ジュースというものを飲んだだけで帰ってきた。
あいかわらずとりとめのないことを考えながら、定番のコースを一周して今日の散歩は終わり。
もう秋風が肌にしみる季節である。
チミモウリョウたちもそろそろ穴ぐらにこもる準備らしい。
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