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2007年10月26日 (金)

青衣の女人

趣味が多彩であるというと聞こえがいいけど、ここ数日はなんだかんだで、ブログが手抜きになってしまうそうなくらい忙しい。
こういうときは以前書いておいた記事でお茶をにごしてしまう。

司馬遼太郎はむかし新聞社で宗教部門 (おもに仏教らしい) を担当していたことがあるそうで、「街道をゆく」 にもあちこちに仏教に関係した記述がある。
ただし、かなり専門的になってしまうので、わたしにとって巻16の 「叡山の諸道」 は、このシリーズのうちでもっとも読みにくいものになっている。
叡山というのは、ご存知、比叡山延暦寺のことだから、お寺の話ばっかりになってしまうのもやむを得ないけど。

巻24の 「奈良散歩」 にも、興福寺、東大寺といったお寺の話がたくさん出てくる。
ただこちらのほうがいくらか読みやすいのは、難解な部分をとばしてもまだ興味のあるエピソードが多いせいかもしれない。
わたしのブログには「魑魅魍魎あるいは絶滅危惧種と暮らす」という副題がついているので、この巻からそんなお化けの登場するエピソードを取り上げてみると・・・・・

東大寺には修二会 (お水取り) という年中行事があって、わたしはぜんぜん知らないが、これは2週間におよぶ長いものだそうだ。
この2週間のうちに、東大寺にかかわった人たちの過去帳を読み上げる行事がある。
東大寺を発願した聖武天皇からはじまって、開山の良弁僧正、実忠和尚などのお坊さん、弘法大師、源頼朝などの有名人から、じっさいに作業をした大工や土方までひっからげて読み上げられるという。
そうした名前の中に 「青衣の女人」 という得たいのしれない名前がある。
なんでも承元年間 (1200年ごろ) の修二会のおりに、集慶という坊さんが過去帳を読み上げていたら、とつぜん青い服を着た女があらわれて、なんでワタシの名前を読まないのとごねたらしい。
集慶さんがあわてて 「青衣の女人」 といいかげんな名前を読み上げると、女はかき消すように消えたんだそうだ。
この女がいったい誰の亡霊だったのかという、どうでもいい意見が現在でもかまびすしいらしいが、そんな名前がいまでも残っているというだけでおもしろい。

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