« 刺し身 | トップページ | 追伸 »

2007年11月21日 (水)

複雑な心境

0047a

NHKのBSで放映していた 「関口知宏の中国鉄道大紀行」 が、新彊ウイグル自治区のカシュガルにたどりついたところでとうとう終了した。
前回は敦煌まで、今回は敦煌 (もより駅の柳園) からカシュガルまでの旅である。
鉄道に乗ることが目的の紀行番組なので、あまり名所旧跡に寄らないのが欠点だが、この区間は2000年にわたしがじっさいに行ってきたところなので、興味ぶかく、なつかしい気持ちで観た。

わたしが行ったときもそうだったけど、この区間の列車に乗ると、ウイグル人、回族、漢族などがみんないっしょに和気あいあいとした雰囲気で乗り合わせている。
※写真は2枚ともそのときの写真。

わたしの友人の中には中国を毛嫌いして、なにかというと少数民族の独立を口にする輩がいるのだが、その問題についてわたしは複雑な心境である。
チベット、ウイグル、モンゴルなど、どの民族にとっても、独立した国家ができればそれがいちばん嬉しいことに違いない。
しかし現在の中国には、それを認めたら国家が崩壊するという恐怖がつねにある。
また、独立抗争でさんざん血を流したあげく、より抑圧的な独裁政権や人権無視の規律を強制する原理主義が台頭した新興国家の例をわたしはたくさん見てきた。
だからわたしは、独立運動というとなんでもかんでも支持したがる人たちの仲間に入る気にはなれない。
この混乱する世界にさらなる混乱をまきおこすようなことは厳につつしみたいものだ。
わたしの希望は、さまざまな民族がいりまじって平和に暮らしてほしいということで、それは現在の状況のほうにちかいのである。

0047b

「鉄道大紀行」 にも出てきたが、いまは綿花を人力で摘み取っている新彊でも、このまま順調に発展が続けば、やがて機械による収穫になるだろう。
同時にウイグルの素朴で人なつっこい性格も失われてしまうだろう。
それは悲しいことだけど、近代化というものはたいていそういうものだし、彼らだけがいつまでも近代化に取り残されていればいいということにはならない。
わたしのこころはますます複雑に悩むのだ。

現時点では、道路や鉄道をふくめたインフラ整備で、新彊地区に対する経営は中国の赤字であろうと思われる。
かってのアジアに、遅れた帝政主義の国に対して膨大な開発予算を計上し、その国の近代化に貢献したあげく、現在では侵略者とののしられている国家がもうひとつあった。

|

« 刺し身 | トップページ | 追伸 »

(NHK)テレビより」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 複雑な心境:

« 刺し身 | トップページ | 追伸 »