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2007年11月20日 (火)

刺し身

中勘助の詩なんか読むと、詩人の条件は貧乏であることのようだ。
そういう点ではわたしも詩人であることに絶大な自信がある。

わたしが大沢村の現在地に引っ越してきたのはもう12年もまえのことだけど、その当時は近所に八百屋や肉屋、乾物屋の入った小さな商店街があった。
御多分にもれず、大規模スーパーに猛襲されて、それらの店はひとつつぶれ、ふたつつぶれ、とうとう酒屋を残してすべて一掃されてしまった。
八百屋の主人は、若いころさぞかし “いなせ” だったと思えるすらりとした親父だったが、店仕舞いしたあと、最近では近所のなじみのソバ屋で背中をまるめて世間話をしているようだ。
彼もずいぶんトシをとった。

さいわい八百屋だけはべつの店が開店したから、ちょいとした買い物は間に合うけど、わたし自身も買い出しのさいは、車で大規模スーパーにひとっ走りしてしまうので、地域の商店が圧迫されて消滅していくという問題についてごちゃごちゃいう資格がない。

わたしは刺し身でいっぱいやるのが好きなので、引っ越してきた当時は、刺し身を買うのにわざわざ大規模スーパーまで出かけていた。
ところが20分ほど歩けば魚屋の入ったスーパーがあるよと教えてくれる人がいて、それからは散歩をかねてそこまで歩く。
こちらも八百屋、魚屋、肉屋などの入った地域の小規模スーパーだが、なかなか頑張っているようである。

ここで冒頭の貧乏話にもどるけど、中勘助はひと切れの塩鮭に喜びを感じていた。
今日のわたしはひと舟のマグロの刺し身に幸福を感じているのである。
さて、焼酎のお湯割りでもつくるか。

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