ライブハウス
クリスマス・イヴにひと足早いけど、連休の夜にひとりで家でぼんやりしていても仕方がないので、吉祥寺へジャズを聴きにいく。
SOMETIMEのこの晩の出演は、ボーカルにピアノとベースのトリオ編成。
ジャズであるから、この三つは対等の関係である。
最初にピアノとベースがデュオで3曲ほど演奏した。
その後登場したSという歌手は、脱色でもしてるのでないかぎり、いくらか白髪のまじったベテランらしい女性だった。
わたしにはなじみのない曲だったけど、クリスマスソングを含めたジャズ・ナンバーを数曲歌った。
ベーシストは (いくらか頭髪のうすくなった後ろ姿しか見えなかったけど)、ときどき横顔を拝見したところでは、作家の浅田次郎みたいな感じの人だった。
わたしの目をひいたのはピアノを弾いているDという人である。
痩身で眼光するどい老職人のようなイメージの人で、ニットの帽子をかぶったまま、ほとんど不動の姿勢でピアノを弾く。
わたしの位置からは胸から上しか見えないから、その手先が激しく動いて、躍動感のある音をつむぎ出しているとは信じられない。
不思議な光景だった。
音楽を聴くだけならCDのほうがいいのだが、ライブハウスの楽しみは、臨場感とともに、演奏者の人となりを観察できるところにあるのである。
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