ライカ
知り合いがライカのフィルム・カメラ (M7) を貸してくれた。
ライカといえばブランド・カメラである。
クラシック・カメラで、もう製造されてないのかと思ったら、まだ新品がちゃんと売られていた。
値札をみてビックリし、外に持ち出さないで、部屋の中でしこしこと使うことにした。
だいたいわたしはブランドなんてものに興味がないのである。
グッチもプラダもヘルメス (エルメスだっけ?) も興味がないし、買う金もない。
いくらライカが有名でも、日本のニコンやキャノンより性能的にまさっているとは思えない。
まさっているなら、なぜ世界中のカメラマンが日本のカメラを使うのか。
と、屁理屈を言ってみたけど、わたしには好奇心というものがある。
ライカのブランドとはいかなるものか。どんなカメラなのか。
そりゃ使ってみなくちゃわからない。
で、ありがたく借用して、いろいろいじくりまわしてみることにした。
こういうわたしであるから、ブランドというものに幻惑されるはずがなく、性能以上にライカを買いかぶるわけもない。
逆にいうと、わたしぐらいライカを語るにふさわしくない人物はおらず、わたしぐらいライカを使うに不適切な人間はいないのである。
まずフィルムの装てんでうんざりした。
ニコンやキャノンの一眼レフだって、かならずしも装てんしやすいとはいえないけど、M7のややこしさはどうだ。
これじゃまず、突発事件に対処しなければいけないニュース記者たちが、日本製カメラにとって替えたのも当然だろう。
つぎに焦点のあわせ方のむずかしさである。
といっても、この点はライカの責任ではなく、そろそろ眼のほうがくたびれてきたわたしのほうにある。
最近の進化したオートフォーカス・カメラのせいでもある。
いろいろケチをつける人もいるだろうけど、現在のオートフォーカスに文句をいえる人はあまりいないはずだ。
いったん自動焦点になれると、プロでもそれに逆らうのはむずかしい。
わたしなんか一眼レフをさっさと放り出して、最近はもっぱらバカチョンカメラばっかり愛用している始末である。
もちろんライカ・レンズやブランドを今でも信奉している人はいるだろう。
ややこしさをむしろ楽しみに転換しているマニアもいるだろう。
そういう趣味はわるいものではない。
ポンコツ・バイクをこつこつと修理するのが楽しいという人もいることだ。
つまりこのカメラは人を選ぶのである。
せっかちなわたしが選ばれなかったことはいうまでもない。
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