誰だっけ
若いころ、わたしは列車の旅が好きだった。
旅に出るときはいつも文庫本を持っていく。
そんな文庫本がメモ代わりに使われることがある。
とちゅうで見たり感じたりしたことを、本の空白部分にメモっちゃうのである。
最近、古い文庫本の1冊をひさしぶりに取り出してみたら、後ろのほうに女性の名前と住所がメモしてあるのに気がついた。
寺西理恵という名前と、葛飾区のほうの住所、そして「またお願いします」というメッセージが、女性の筆跡で書き込まれていた。
ところがいくら考えても、この(たぶん若そうな)女性が誰なのか思い出せないのである。
「またお願いします」というんだから、何かお願いされちゃったらしいけど、いったい何をしてやったんだっけ。
色恋沙汰でお願いされたのなら、そういう女性についておぼえていられないほど、わたしの経験は豊富じゃないから、ひょっとすると缶ジュース代でも貸してやったのか。
いや、そのていどのことで、わざわざ本にお礼を書く人間はいるまい。
はて、誰だっけと、相手が女性だけに気になって仕方がない。
彼女がこのブログを読むことがあったら連絡してほしいものだ。
ただし、文庫本の古さからして、彼女が健在だとしても、もう子供はもちろん孫がいても不思議じゃないだろうから、いまさら色恋沙汰で問題が生じることはないだろうと思われる。
ザンネンというべきか。
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