姪っ子
正月は田舎へ帰省してきた。
実家には兄貴とその娘が3人いたのだが、上の2人はすでに家を出て、居座っているのは末の娘のみ。
この姪っ子は新人類である。
はにかんだような言葉使いが頼りないことはなはだしい。
わたしがフッと息を吹きかけると、おっとっとっとと、5メートルほど後ろへ飛んでいってしまいそうである。
そんな彼女がいつのまにか国立大学の3年生になった。
この正月に帰省して彼女の部屋をのぞいてみると、乱雑な部屋にバイオリンやエレキギターが鎮座している。
おまえ、たしか病院の検査技師かなんかを目指しているんじゃなかったっけと、おじさんとしてはつい気になって声をかけてしまう。
でもまあ、趣味が音楽というのはわるくない。余暇にバイオリンを弾く検査技師なんてものがいるのも楽しいではないか。
おじさんがバイオリンの練達ぶりを判断してやろうと、メヌエットかなんかを演奏させてみたのがこの写真。
頼りないのかしっかりしてるのかさっぱりわからないけど、わたしは規格はずれのおじさんだから、人生という舞台を自由気ままに飛びまわる彼女のような生き方が好きである。
ワクにはまった優等生にはなってほしくないものだ。
それにしても、と考えてしまう。
老人が1年かかってやることを、若い者は1日でやってしまう。
大人と子供では、時の流れの速さになんと違いがあるのだろう。
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