BST
トシがばれちまうので、あまりごちゃごちゃ言いたくないんだけど、おとといの夜のBSライブは 「ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (BST)」。
金管楽器を前面に押し出して、一世を風びした米国のロック・バンドである。
最初にこのバンドを作ったのは、才人アル・クーパーで (ぎんぎらぎんのアリス・クーパーではアリマセン)、彼について話し始めると、マイク・ブルームフィルドとの有名なジャム・セッション・バンドなどに及び、話が尽きないので省略。
BSTはジャズとの境界にあるバンドで、いま考えると必然的なものだけど、当時は革新的なバンドと呼ばれた。
なにごとも早いもん勝ちだから、同時期に登場したシカゴやチェイス、ライトハウスなどをさしおいてブラスロックの先駆者といわれている。
いわゆるジャズとは異なり、グループとしてのまとまりを保ったまま、各所でジャズ的なソロが聴けるので、楽器同士のかけあいや対立にスリルを感じるわたしとしては、名人が順番にソロをとるだけの単調なジャズ演奏に比べると、こっちのほうがずっとおもしろいと感じた。
彼らの誕生から (えっ、もう) 40年たつけど、その考えはいまでも変わっていない。
このバンドにルー・ソロフというトランペッターがいて、彼がソロをとったマック・エビル変奏曲は、まさに白熱のジャズ演奏である。
ロックはもともと感情にストレートに訴える力を持っているけれど、そういう点では数多いジャズの演奏の中にも、これほどの名演奏は少ないといえる。
テレビの映像でも、ボーカルとソロフのトランペットのかけあい、それに続くトランペットの長いソロが白眉だった。
レコードに比べるとちょっともの足りないけど、ま、レコードのほうはいつでも聴けるし。
あまりこのトランペットが素晴らしかったので、ルー・ソロフってどんな人だいと写真をよく見たら、頭のうすくなった背のひくい男性だった。
このコンプレックスが彼をして、演奏家としての不断の努力を怠らせなかったんじゃあるまいかと勝手に想像してしまう。
ゴメンナサイ。
添付した画像の中の、ルー・ソロフはいちばん左の人。
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