さんご礁の彼方に
ちかいうちガクジュツ研究のために沖縄へ行く予定だけど、それにあわせたかのように今朝の新聞におもしろくない記事。
それも1面トップだ。
『サンゴ七割消えた』 だって。
サンゴの問題はもう数年来のものだから、沖縄の海で異変が起きていることは知っていたけど、何もこの時期にねえ。
え、なんか恨みでもあんのか、朝日新聞は。
サンゴが死滅している原因はいろいろあるだろうけど、これだけ人間による災難が問題視されている現代にあっては、やっぱりいちばんの原因は人間さまの横暴なんじゃないかと考えてしまう。
数万年だか数億年だかの長い期間に、島でさえ形成してきた偉大なサンゴ礁が、気象の変化やオニヒトデぐらいで死滅してたまっかというのが、しろうと学者のわたしの意見である。
わたしが初めて沖縄を訪問したのは今から25年も前のことで、当時の沖縄のサンゴ礁は夢のように美しかった。
西表島でダイビングをしたんだけど、昼食時にとある入り江に上陸して休憩をした。
戦争中の桟橋が残るだけで、背景に広がるのは静まりかえった亜熱帯のジャングルのみ。民家など1軒もないところだった。
白い渚で素潜りしてみると、腰の深さぐらいの砂浜に、盆栽のような小さなサンゴや、座布団みたいなイソギンチャクがいくつもあって、そのまわりに美しい熱帯魚が群れていた (写真はネットで見つけたものだけど、ホントにこんな感じ)。
あれは白日夢だったのか。
夢のように美しかったサンゴ礁は、ほんとうに夢になってしまったのか。
わたしは期待よりも、おそれをいだいて沖縄へ行くことになってしまった。
| 固定リンク | 0
コメント