おくりびと
映画を観てきた。 「おくりびと」 という映画。
べつに観たくて観たわけじゃないんだけど、たまたま街に出かけて、ヒマつぶしに、ほかに適当な映画がなかったもんで。
音楽家として挫折した若者が郷里にかえって、納棺師という商売を始めるってハナシである。
納棺師というのは遺体に死に化粧をほどこして棺におさめるのが仕事で、そんな商売がいまでもあるのか、まあ、設定が山形県だからあるかもしれないと、このへんは強引に納得。
前半の1/3ぐらいは、コメディとしてマアマア。
とちゅうから、これでもかこれでもかとお涙ちょうだい物語になってしまうのに閉口した。
広末涼子はどうでもいいんだけど、準主役みたいなわき役の余貴美子サンについては、もっとタフですっとぼけた個性の持ち主にしてほしかった。
伊丹十三なら彼女はとうぜん山崎努のメカケということにしただろう。
まじめときれいごとばかりじゃ人間は描けんぜ。
お葬式というのは、あつかう人に才能さえあればいくらでもおもしろくなる題材なのにと残念である。
これ以上は論評に値しない映画なので論評しない。
「おくりびと」 を観て、わたしはむかし観たトニー・リチャードソン監督の 「ラブド・ワン」 という映画を思い出した。
この映画にも死に化粧師や葬儀屋が出てくるけど、こちらは資本主義や権威虚栄などをユーモアいっぱいで皮肉った傑作で、登場人物はいずれも誇張オーバーなくらい個性的、しかもヒロインがひじょうに魅力的だったので、わたしは今でもこの映画の一部を録画して持っている。
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