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2008年10月11日 (土)

クモたち

0130

散歩コースやわが家の周辺に、今年はジョロウグモがやたら多い。
これも三鷹市の里山計画の順調な結果なのか、それとも今年だけの特異な現象で、来年はまたがっくりと数が減るのか。
ひとつの生物が増えるとそれをエサとする天敵も増えるから、無制限な増加がいつまでも続くということはあまりないはずだけど、ベランダにまでところかまわず巣を張ってしまう彼らを見ていると、来年はもうちっと遠慮してくれとぼやきたくなる。

ところでジョロウグモの天敵っていったいなんだろう。
わが家の軒下にはオニグモもときどき巣をつくっているが、こちらの天敵は狩人バチの一種のベッコウバチである。
狩人バチの巧妙な狩りのようすは「ファーブルの昆虫記」でも有名だけど、わが家の近所ではあまり見かけない。
このハチの減少がクモたちの世界をひろげているのかなと気にもなる。

ベッコウバチがクモを襲う光景は、子供のころよく観察したことがある。
軒下で巣のまん中に鎮座しているオニグモは、ベッコウバチの羽音を聞くとパニックを起こして、たいてい逃げようとして巣の下に飛び降りてしまう。
これはハチにとっては、ねばりつく巣にいすわったままいられるよりは好都合で、クモは地上でたちまち追いつかれ、いわゆるハチのひと刺しで動けなくなってしまうのである。
神経中枢を破壊されたクモには、このあと生きたままハチの幼虫の餌になるという残酷な運命が待っているのだが、わたしに衝撃を与えたのは、パニックを起こして地面に飛び降りるさいのあわてふためくクモの姿である。
こんな小さな動物でも恐怖を知っている、感情というものを持っていると、子供ごころによく思ったし、それはわたしの生物に対する考えに大きな影響を与えたものだ。

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