ガルシア・マルケス
やっと天気がよくなったから、また暑さがぶり返すかと思ったら、ぜんぜん、空気のさわやかさを実感するような秋晴れである。
読書の秋なんて不健全な標語を考えたのはダレだ。
新聞でガルシア・マルケスの名前をちらりと目にした。
1982年にノーベル文学賞をもらったラテン・アメリカの作家である。
地球の裏側の国の人なので、ふだんあまり縁がないけれど、彼がノーベル賞をもらったとき、「エレンディラ」 や 「百年の孤独」 などの作品を読んだことがある。
「エレンディラ」 は文庫本で読んだ。
この文庫本には表題を含めて、彼の短編が7つ収められていた。
冒頭の 「大きな翼のある、ひどく年取った男」 を読んで、めんくらったというか・・・・・・
これは童話なのか、寓話なのか、それとも悪ふざけなのかってなモン。
それでも、たとえば 「この世でいちばん美しい水死人」 なんか読むと、くどくどしいものの、どこか詩のような不思議な魅力を感じてしまう。
それを文章でうまく説明するのはむずかしい。
一文にもならないブログで作品の批評に頭をしぼっても時間のムダなので、これ以上論評はしないことにする。
「エレンディラ」 は映画化されてわたしも観たことがあるけど、ヒロインが可愛いってんで日本ではほんのちょっと評判になっただけで、残念ながら作家の名声に寄っかかったような凡作だった。
可愛いオンナの子に目のないわたしがそういうんだから間違いない。
マルケスの作品を映画化できる監督がいるとしたらフェデリコ・フェリーニぐらいだろう。
そういえば現実にありえない異様な世界は、フェリーニの 「サテリコン」 に通うものがある。
「百年の孤独」 は長編小説で、小笠原への旅行に持参して、旅のあい間にひろい読みしたおぼえがあるけど、中味はぜんぜん記憶に残ってない。
マルケスの作品は短編で読むのがふさわしいくらいのおもしろさだった、すくなくともわたしには。
ただし、このおもしろさは捨てがたく、わたしの本棚には彼の文庫本がもう20年以上も置いたままになっている。
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