チャペックの「スペイン旅行記」
古本屋でチャペックの 「スペイン旅行記」 という本をみつけた。
カレル・チャペックは 「山椒魚戦争」 や 「園芸家12カ月」 で知られるチェコの作家で、鉄腕アトムや鉄人28号でおなじみの (わたしも古いねえ) “ロボット” という言葉を創作した作家ということで知られている。
ロボットというのはチェコ語だったのである。
そういうことでチャペックという人は、SF大好き少年だったわたしにとって神さまみたいな人なのだ。
さらにわたしは旅行も好きである。
チャペックが旅行記を書いていることも知っていたので、ぜひ読んでみたいと思っていた。
その旅行記をたまたま入った古本屋でみつけてしまったのだ。
中身に目も通さずに購入して、帰宅してからさっそく読んでみた。
うーん、である。
「山椒魚戦争」 をはじめて読んだときはおもしろいと思った。
「園芸家12カ月」 を読んだときも楽しい本だと思った。
「スペイン旅行記」 については期待が大きすぎたのだろうか。
けっしてわるい本ではないし、ためになる記事もたくさんあるけれど、なんかイマイチなのである。
原因は、記述がひとりよがりでテンポが早すぎることらしい。
作者にはすべてがわかっていてちゃんと感動もあるのだろうが、個人的な主観が多く、具体的な描写は少ないから、じっさいの風景などを想像することができない。
そのくせ話はどんどん進行してしまうので、読者がゆったりと情景にひたっているヒマがないのである。
「園芸家12カ月」 のような機智にとんだ楽しい文章を期待したわたしには不満である。
古本屋で正規の値段の半分で買ったのがいけなかったのかしら。
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