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2008年10月13日 (月)

画家ハンマースホイ

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秋日和の連休なので、たまには高尚な雰囲気にあやかろうと、上野の西洋美術館へ行ってみることにした。
上野では東京都美術館でフェルメール展もやっていたけど、そっちは連休で混雑しているだろうと、ヴィルヘルム・ハンマースホイという画家の絵を観にいくことにしたのである。

ところでわたしはこの画家の名前をぜんぜん聞いたことがなかった。
この画家の作品は、雑誌で個展のお知らせが報道されていて、そこではじめて観たけど、後ろむきの女性が室内にたたずむ不思議なくらい静謐な絵だった。
個展のタイトルが 「静かなる詩情」 というから、静けさがこの画家の個性らしい。

西洋美術館の会場では、作品の制作年代順なのか、まず人物画が並んでいた。
うまいのかヘタなのかわからないが、どこかアンバランスな絵だと思った。
デッサンが狂ってるんじゃないか。
問題の静謐な絵についてもそうだった。
ひと気のない建物の絵が多く、その大半がタイトルにふさわしい静けさに満ちていた。

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静かな建物画を描いた画家ならほかにも、たとえばユトリロなどがいるけど、ハンマースホイほど奇妙な、不気味さを感じさせる絵はなかった。
足のないピアノ、ノブの省略されたドア、床におちる窓の影の不安定さ、そして視点がふたつあるような奇妙な構図など、どこか病的なものを感じさせる絵ばかりだった。
「旧アジア商会」 という作品などは、キリコのようなシュールリアリスムさえ感じさせた。
こうした絵とは別に、ハンマースホイはひとつの建物の内部を、憑かれたように何度も描いた画家なので、会場内のテレビで、CGを使って画家の視線を3Dで再現してみせるユニークな映像が公開されていた。
先端技術に興味のあるわたしには、これはなかなかおもしろかった。

美術館の庭ではどこかの大学の美術科学生らしい女の子たちが写生をしていた。
みんななかなか上手だし、なにより健康的で可愛い子ばかりだったので、わたし個人的にはハンマースホイよりこっちのほうが好みである。

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