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2008年11月24日 (月)

レッドクリフ

M003

友人のおつきあいで 「レッドクリフ」 という映画を観てきた。
この映画については新聞に三谷幸喜クンが感想を書いていた。
彼はそれなり影響力のある人だから、もちろん公開中の映画をけなすことのできない立場にいる。
それで映画の内容については当たりさわりのないことを書き、せいぜい孔明と周瑜の友情が前面に押し出されているのが、原作とちがってちと気になると、その程度の感想でお茶をにごしていた。
こうした三谷クンの苦心惨憺の文章、そして本心はけなしたいのだがそれができないという立場を理解してやらなければいけない。
さいわいわたしは世間さまに遠慮も会釈もいらない人間だから、公開中だろうがなんだろうが、けちょんけちょんにけなすことができる立場である。

なんだなんだなんだなんだなんだ、この映画は!
まるでヘタな漫画家が描いた三流劇画みたいな映画だった。
CGを使っているから合戦のスケールだけはやたら大きいが、せせこましいチャンチャンバラバラばっかりで、めったやたらに血しぶきが飛び、スカッとした爽快感なんかひとつもない。
この映画の原作はとうぜん 「三国志演義」 なんだろうけど、お燗した酒がまだ温かいうちに関羽が敵将の首をかき取ってきたとか、諸葛孔明が並みいる論客をたて板に水で論破するといった痛快きわまりない場面が、もったいぶったニヒリズムにすり替えられていて、三国志の愛読者としてはイラつくことばっか。
悠久の中国を舞台にしてんだから、もっとロマンを感じさせる映画になぜせんのだ。
アラビアのロレンスみたいな映画にならんかったのか (唐突にロレンスが出てくるのは、もうすぐこの映画の最新バージョンがリバイバル上映されることがわかったから)。
おまけに、このあとパート2の予告編がありますというセリフで、長いラストクレジットまで付き合わされて、ま、これはそんなものにつられるこっちも悪いけど、予告編で十分だ。
ぜったいパート2なんか観に行ってやらんからな。

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