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2008年11月18日 (火)

アブグレイブの虐待

最近、録画したテレビ番組。
オグシオのバドミントン試合。 新日曜美術館。 虐待の女王というドキュメント。 中国語会話。
やたらいろんなものに興味があるというか、分裂症というか。

「虐待の女王」 というのは、アブグレイブ刑務所でイラク捕虜を虐待した米軍兵士へのインタビュー番組で、米国を震撼させたこの事件にもういちど光をあてている。
社会のさまざまな出来事に関心のある人なら、首にヒモをつけた捕虜のわきで微笑む、あるいは裸にした捕虜のまえでポーズをとる女性兵士の写真をおぼえているだろう。
この番組ではその女性兵士へのインタビューもある。
彼女らがどんな証言をするのか興味があった。

結果をみれば、けっきょく巨大組織はほおかむりをし、当事者の兵士だけが罪をひっかぶせられた図式だけがうかびあがる番組だった。
まあ、やらないよりはマシだけど、米国の民主主義というやつは、告発はしょっちゅうある、しかしそれで事態が劇的に改善されるということはあまりないようだ。
ニクソン大統領が辞任したころは (そしてヘンリー・フォンダやジェームス・スチュアート、グレゴリー・ペックが生きていたころは) まだアメリカにも健全な精神が残っていたけれど、最近のアメリカは諸悪の根源といっていい国になってしまったみたいである。

アブグレイブ刑務所の事件でいえば、虐待を告発した兵士は米国の国防長官!から報復といえる態度で名前を暴露され、いまなお身の危険を感じる毎日だという。
これじゃ不正を告発する人間などいなくなってしまう。

わたしが虐待の現場にいあわせたらどうだろう。
エラそうなことは言いたくないが、やはりおだやかではいられそうにない。
正義感なんてものを持ち出さずとも、人間のふつうの感情として見ていられないと思う。
その先にまで踏み出せるかどうかは、まわりのしがらみを考えるとなかなかむずかしい問題で、そんな勇気があるかどうかは定かじゃないけど。

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