ハンマースホイの2
しばらく前にハンマースホイという画家の個展を観に行って、『うまいのかヘタなのかわからないが、どこかアンバランスな絵だと思った。
デッサンが狂ってるんじゃないか』 などとブログに書いた。
この画家についてNHKの日曜美術館がとりあげて、この画家とその作品の奇妙な特質にもふれていたけど、総体としては静かなる詩情という売り込み文句を全面的に肯定する好意的な評価がされていた。
どうもわたしの見解とこの番組では評価の結論がちがうようだ。
この番組を観た人がわたしのブログの記事を読んだら、やっぱシロートだからな、いいかげんなことを書いてと思うんじゃないか。
弁解しとくけど、じつはわたしも個展のポスターを見て、なかなかすてきな絵だと思い、静かなる詩情というものを味わいに行ったのである。
じっさいに観てみると、詩情よりも、偏執ぎみの不気味さばかりが感じられる絵だったというわけだ。
添付した絵がポスターに使われていた絵で、これだけ見れば誰だって不気味な絵だとは思わない。
しかし彼の絵をもっとたくさん観れば、誰だって 『うまいのかヘタなのかわからないが』 と似たような見解をもつに違いない。
おことわりしておくけど、わたしはハンマースホイの絵をけなしているわけじゃない。
アンバランス、ゆがんだ構図、いびつなデッサン、画家の精神鑑定の必要さなどは、すぐれた絵画によく見られる特質なのだから。
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