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2008年12月14日 (日)

釣りと読書

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開高健の 「オーパ!」 は彼の小説エッセイ中の最高傑作である。
といっても過言ではないくらいおもしろい本だ。
彼の書いた本はほかにもベトナム戦記だとか食べ物や酒に関するエッセイがあるけど、トップセールスを記録したのは、ダントツで 「オーパ!」 (とそれに続く釣り紀行記) だと思われる。
だいたい釣りをやらないわたしが読んでもおもしろい本なので、名実ともに最高傑作と断言してしまう。

 

彼の一連の釣り紀行の中に “人生に退屈したくなければ釣りをおぼえなさい” という警句があったはずだけど、そういう点ではわたしは不幸であった。
ただ、ある歳になってから気がついたことだけど、釣りの好きな人がかならずしも釣り紀行を読むとはかぎらないし、読書家が書斎で釣り竿をみがいている光景も想像しにくい。
釣りと文学は同じような形而上学的趣味と思われるのに、じっさいはぜんぜん異なるものであるらしいのだ。

 

開高健や井伏鱒二のように、女房より釣りを愛した作家もいないじゃないけど、夏目漱石から椎名誠にいたるまで、釣りの好きな作家はけっして多くない (椎名誠サンはたまに釣りもやっているけど本質的に好きとはいえないようだ)。
釣りをやらないかわりに読書をおぼえたわたしは、おかげでなんとか人生に退屈しないでいるし、どちらもやらない人よりはマシだろうと考えることにしている。

 

と、釣りに関するゴタクをごたごたと書いてきたのは、熊本のKさんが自分のブログでみごとなタイを見せびらかしているからだ。
http://warazouri.cocolog-nifty.com/blog/

 

忘れずに言っておくけど、釣りをやらないわたしだけど、タイの刺身なんてのは大好物なんである。

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