倉敷の宿
前項の 「街道をゆく・夜話」 の中にもうひとつ興味のある宿屋が出てくる。
こちらは倉敷にある古い屋敷をそのまま利用した宿で、縁起を手短かに紹介すると、戦後の農地解放で家屋敷を手放さなければならなくなった大地主が、屋敷をみだりに改築しないこと、宿屋として使用することを条件に、知り合いの娘に建物を安くゆずったのだそうだ。
作家の文章によると、年期のはいった蔵造りのホンモノの民芸旅館だそうである。
こういう宿にも泊まってみたい。
ただしこの文章は書かれたのが1964年で、前項の坊津の宿屋を訪ねたときや、そもそも週刊朝日に 「街道をゆく」 が連載されはじめたときよりずっと古いのである。
そんな宿屋が今でも残っているだろうか。
鉄筋コンクリートになってないだろうか。
ただ、そうとうに格式のある建物をそのまま使ったようだから、みだりに改築していない可能性もある。
文章の中に宿の名前は出てこないけど、倉敷にある百年以上をへた蔵造りの宿ということで調べればわかるかもしれない。
というわけで、またネットで検索してみた。
どうやらこれらしいという宿屋を見つけたが、坊津の宿屋がエコノミークラスだったのに比べ、こちらはわたしのような貧乏人はぜんぜん相手にしてもらえないハイグレードな宿屋のようだった。
倉敷は遠いからな。
そんなほうまで行くヒマはねえよというと、負け惜しみに聞こえてしまうだろうか。
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