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2009年1月19日 (月)

3羽の烏

わたしは鼻たれ小僧だった時分からレコードを買い始めた。
今から40年以上まえに買ったレコードが今でも手もとにある。
ピーター・ポール&マリーのLPで、ジャケットのすみに当時交際していた彼女のサインまで入っている。

なつかしい、なんてことはどうでもいいけど、これを購入したころ、LPレコードの値段はだいたい2000円前後だった。
よく卵が物価の優等生といわれるけど、その点ではレコードのほうがうわ手をいく。
考えてほしい。
レコードの値段というのは40年、50年まえと現在でほとんど変わっていないのだ。
現在ではレコードはCDに変わったけど、その1枚の値段はやはり2000円前後だろう。当時と現在で、かりに平均物価が10倍になったとすれば、当時のLPレコードは2万円もしたことになる。

つまり昔はレコードというのはひじょうに高価なものだったのだ。
ご多分にもれず、フォークソングも好きだったわたしは、清水の舞台から飛び降りるような気持でPPMのレコードを買ったわけだ。

気もそぞろに帰宅し、さっそく針を落としてみたら (そう針だったんだよ、当時は)、ちょっとわたしの期待していたものと違っていた。
わたしは 「時代は変わる」 、「500マイル」、「風に吹かれて」 などが入ったベスト・アルバムのつもりで買ったんだけど、これは歌手の語りや聴衆の歓声などが入ったコンサートのライブ・アルバムだったのだ。
当時のわたしはスタジオできちんと録音された音楽ばかりを聴いていて、ライブ演奏というものを聴いたことがなかった。
おかげでいささか違和感があり、失望した。

がっかりしてしまったけど、買ったものは聴かないわけにいかない。
何度か聴いているうちにこのLPに入っていた 「3羽の烏」 という歌がえらく気にいってしまった。
これは英国の古い民謡らしいけど、畳みかけるように繰り返される Down-a-down, Hey! Down-a-down というフレーズがつよく印象に残る悲しい歌である。
あとでこのライブ・レコードはなかなか傑作であると思うようになった。

なんでPPMのことを持ち出したかというと、つい最近、テレビで彼らのコンサートが放映されたからだ。
上記のレコードと同じ時代のモノクロ映像だったけど、この中でも 「3羽の烏」 が歌われている。
レコードは文字どおりお蔵入りになっていたのだが、おかげでひさしぶりにホコリを払って針を落とすことになった。

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