キューバ
夕刊の訃報欄に知った名前が。
オルランド “カチャイート” ロペス。
すでに忘れられているかもしれないけど、2000年に公開された音楽映画 「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」 でベースを弾いていたおじさんである。
映画の中でとくに目立っていたわけじゃないけど、なかなか感動的な映画だったのでわたしは彼の名前もおぼえていた。
もともと骨董品的音楽家たちを主役にした映画だったので、メンバーの訃報はこれが初めてじゃない。
コンパイ・セグンド、ルベーン・ゴンザレス、イブライム・フェレールらもとっくに亡くなっている。
この映画がなかったら、極東の島国の夕刊に彼らの訃報が載ることはぜったいになかったに違いない。
わたしはキューバという国に、他の国にはない思い入れがある。
つい先日NHKがフィデル・カストロの番組を放映したけど、激しい闘争をへて革命に成功した指導者は、たちまち今度は自分が権力をむさぼる抑圧者になってしまう例が多いなかで、カストロは最高指導者になったあとも初心を忘れない稀有な例のように思うからである。
キューバが独立して以来50年、米国の経済制裁で国民生活は苦境にあるようだけど、上記の 「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」 にも見られるように、音楽と自由を愛する国民性は失われていない。
社会主義国だけど、中国や朝鮮に比べると、貧しくとも人々は幸福に暮らしているようにさえみえる。
映画を制作したライ・クーダーのように、米国人の中にさえそうしたキューバを愛する人は多いのである。
まして守銭奴のように金にこだわる米国が、金融危機でガタガタになっている昨今、そのすぐ横っ腹で、頑固にわが道をゆくキューバには、わたしはこころから讃辞を送りたいくらいなのだ。
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