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2009年5月31日 (日)

アナログレコード

レコードについて悩んでいた。
わたしの部屋にはLPレコード (アナログだ、針で聴くやつだ) が何百枚かある。
最近数えたことがないからわからないけど、最盛期には600~700枚あった。
ビートルズから始まって、ロック、ジャズ、そしてマーラーまで、音楽に関してはグルメのわたしのことだから、すべて名盤といっていいものばかりだ。

しかしいまはCDの時代である。
こんな時代遅れのガラクタなんて、さっさと捨ててしまえばいいのだが、仕事をリタイヤしてからまたゆっくり聴くつもりで、ついずるずると捨てられずにいたのである。
わたしと同じようなアナログレコードのマニアは多いとみえて、今でも最新かつ高性能のプレーヤーも販売されているし、アナログレコードはけっして絶滅したわけではない。
だけど、どうも最近の状況を鑑みると、リタイヤしてからのんびりなんて言ってられないような気がしてきた。
貧乏ヒマなしで、わたしは死ぬまで働かなくちゃいけない運命みたいである。
リタイヤしてから音楽三昧なんてことはありえないんじゃないか。

だいたい部屋がいつまでも片付かないのはレコードのせいだ。
思い切ってレコードをぜんぶ捨ててしまったら、物理的にも精神的にもどんなにすっきりすることか。
オークションや中古レコード屋に出すテもあるけど、2束3文であることは自分がいちばんよく知っているし、欲しい人にタダでくれてやったっていっこうかまわないけれど、音楽をこころから愛してくれる人でなきゃイヤだ。
ムムムである。

わたしにとってどのレコードにも愛着がある。
青春の孤独というやつを癒すのに、これらのレコードがどれだけ貢献してくれたかわからない。 1枚 1枚がほんとうに自分の子供のようなのである。

悩んでいたら、ある知り合いがまとめて引き取ってくれることになった。
さいわいその知り合いはすぐ近所に住んでいて、必要なときはいつでも聴きにきていいとのこと。
安心した。
レコードが、まだ若いその知り合いのために、こころの糧となってくれることを祈る。
ちょうどわたしにそうしてくれたように。

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