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2009年6月20日 (土)

セミの抜けガラ

219

洗濯機のわきでセミのぬけがらを見つけた。
時期的にはそういうことがあっても不思議じゃないけど、おやおやと意外に思ったのは、わたしの住んでいるのはアパートの2階で、洗濯機も2階のベランダに置いてあるからだ。

セミは誰でも知っているとおり、その生活史の大部分は地面の下にある。
ということは、まだ中身があったときのこのぬけがらは、地面からはい出たあと、庭から柱をつたってせっせと2階までよじ登ってきたことになる。
地面からちょくせつ生えている樹木なら、セミはそうとう高い梢にまで登っていくけど、人間の住むアパートの2階なんて、彼をつき動かしたのはいったいどんな衝動なのか。
ヘミングウェイの小説には、キリマンジャロの山頂近くで、ヒョウのひからびた死骸を発見したというくだりがある。
こんな高いところまで、いったいヒョウをつき動かしたのはなんだっただろうと作家は考える。

キリマンジャロとアパートの2階のベランダではだいぶスケールが違うけど、パンツを干しながら、ついわたしも哲学的に考えてしまうのである。

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