変人政治家
ブログを観たり新聞の投稿欄を読んだりすると、あいかわらず、小泉元総理が改革なんかやったから、こんな時代になったという意見が多い。
わたしは変人同盟の会員だから、同じ変人の彼に肩入れする。
景気がいいときには政治家は改革を断行しなければならない。
これは逆説的に聞こえるかもしれないけど、景気がいまのように惨憺たるものになったら、当面の景気をなんとかしなくちゃいけないから、赤字国債でもなんでも乱発して、改革どころじゃないということになってしまう。
だから景気がよくて税収もタップリというときにこそ、政治家は将来をにらんで、日本の場合なら積もり積もった赤字をなんとかしなければならないと考えるべきなのだ。
そういうわけでわたしは小泉クンがやった改革を責める気にはなれない。
規制緩和にせよ、郵政民営化にせよ、みんな日本の赤字をなんとかしようという考えが基本にあったはずだから。
ただ、こんな未曽有の不景気が来るとは、彼もだれも想像してなかっただろう。
不景気なときには政治家はまたべつの対処を考えるべきで (現総理にできるかどうかは定かじゃないが)、現在の不景気の原因はむかしの総理がと安易にいうのはアンフェアである。
郵政民営化についてまじめに考えてみてほしい。
郵政省の特定郵便局長で組織する政治団体は、ずっと自民党にとってオイシイ票田であり続けた。
それを敵にまわしてを民営化を断行することに、(自民党議員である小泉クンにとって) いったいどんなメリットがあったのか。
国民の財産を投げ売りしたといったのは鳩山 (弟) クンだけど、同じことを言う人もいる。
そういう人にお尋ねしたい。
赤字を垂れ流しにしている 「かんぽの宿」 のような施設をほうっておけというのか。
続投を決めた西川社長個人に対する誹謗中傷はさておくけど、「かんぽの宿」 は破たん企業も同然で、売り手が売値を決められるようなものではなかった。
こちらからお願いして買い取ってもらうような状態だったのである。
ひとつかふたつは黒字の宿もあったかもしれないが、それだけは売らないといったのではムシがよすぎるし、そもそも商ルールに反するのではないか。
民主党であれ共産党であれ、その他の野党すべからくは、むしろ小泉クンのしたことを支持すべきで、それが国民の未来のために、また自民党全体への攻撃にもなることをわかっていないようだ。
小泉クンには日本の将来をにらんだ明確なビジョンがあったと思う。
変人の彼だからこそ、自民党の反対を押し切ってまでさまざまな改革を断行できた。
金融危機でそれがもとの黙阿弥になり、わたしたちは子供たちにふたたび赤字どっぷりの未来しか用意できなくなったしたら、かえすがえすも無念としか言いようがない。
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