理想の死に方
週刊文春に先日亡くなった俳優・山城新伍の最後のインタビュー記事が載っていた。
わたしにはほとんど関心のない世界の人だったけど、その最後はわたしのような人間の末路の典型のようで、気にしないわけにいかない。
俳優だったころはけっこう有名な人だったのに、晩年は老人ホームで、家族にもみとられることのない孤独な死だったそうだ。
ただインタビューに答える彼の口ぶりは、てんたんとして、もう仕事にも友人にもいっさい未練はない、このまま消えてしまいたいなどと言っていたそうである。
そんな彼だけど、自分の娘だけにはもういちど会いたいと願っていたらしい。
ところがどういういきさつがあったのか、娘さんのほうではゼッタイに会いたくないといって、ホームに連絡先も教えなかったそうである。
まあ、これだけの記事だけど、わたしには人間にとって一種の理想の死に方に思えてしまうのである。
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