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2009年8月 9日 (日)

村上春樹の本の2

わ村上春樹を読む。
いまバカ売れの作家だそうなので、わたしも遅れをとっちゃいられないのである。
読んだといっても、最近の小説がニガ手なわたしのことだから、買ってきたのは「辺境・近境」という紀行記を集めた本だ。
つまらなかったら読んだあとで捨てても、文庫本だから惜しくない。

この紀行記に出てくる旅の目的地は、イースト・ハンプトン、日本の無人島、メキシコ、日本の讃岐、ノモンハン、アメリカ大陸、日本の神戸と、ぜんぜん脈絡のない世界の各地。
わたしみたいな旅好きにとって、旅の体験談というのは、目的地がどこでもたいてい興味あることだから、この本もおもしろくないはずがない。
腹がへっているとき讃岐のうどん紀行なんか読むと、お腹がぐうぐうなるくらいだ。
しかし正直な感想をいわせてもらうと、有名作家の紀行記では開高健におよばないし、モンゴルや無人島やうどんの食べ歩きでは椎名誠に (はちゃめちゃぶりで) およばない。

しかし春樹クンには春樹クンの世界があるのだから、ほかの作家と比較したって仕方がないだろう。
では春樹クンの世界っていうのはどういうものなのか。
メキシコに行ったとき、彼はヒマつぶしに読むために、リック・ネルソンの伝記を持参したそうである。
有名人の伝記ってのはたいていおもしろいものだけど、あいにくわたしはこの歌手にぜんぜん興味がない。
アン・ビーティーもオルグレンもブラックウッドも知らないし、D・H・ロレンスは読んでないし、ニュージャージーシ州のブリンストン大学の図書館も行ったことがない。
エルトン・ジョンも好きじゃないし、「シャーリー・ヴァレンタイン」 も、プレスリーの 「アカプルコの海」 も、観た記憶がない。
本や音楽や映画に関しては、春樹クンとわたしではあまり趣味が一致しないようだ。
でもわたしのほうが世間の常識におさまらない変人なのだから、これでもって彼の本はツマラナイというのは自己中心的すぎる。

メキシコではたまたま出会った読者の女の子に、村上さんとメキシコは似合わないんじゃないでしょうかなどといわれている。
つまり多くの読者にとって、春樹クンはモダンでカッコいい、シティ派の作家という印象なのではないか。
それならわかる。
開高健や椎名誠はその対極にいる作家だからである。
それならわかる。
最近の若者はこういうスタイルが好きなんだろうという気がするからである。
というわけで、わたし自身にはあまりそぐわないが、本が売れる理由はわかるような気がした。

この程度じゃあまり鋭い批評とはいえないけど、徹底的にけなすほどつまらない本じゃないし、そうかといっておもしろいと絶賛するほど読みたい本でもない。
言えるのは、小説を買うのは当分お預けだということぐらいだ。

 

※この本については、わたしのもうひとつのブログにも関連記事があるので、興味のある方は下記アドレスからどーぞ。
http://blogs.yahoo.co.jp/libai036/MYBLOG/yblog.html

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