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2009年9月17日 (木)

不安

新聞に 「早くも政労会見」 ということで、鳩山新総理と連合の会長さんが手をにぎりあっている写真が載っていた。
連合は民主党の強力な支援団体だってことだけど、政権と労働者の団体が仲良くして社会がよくなった例があっただろうかと、取り越し苦労かもしれないけど、ちょっと不安を感じてしまう。
こんなことを書くと、とんでもないヤツだと非難ごうごうで、ブログが火をふいちゃうかもしれないが、まあまあ、個人のたわごとだと思って読んでほしい。

わたしは小林多喜二の 「蟹工船」 も読んでいるし、大正や昭和の初期に、政権と資本家が結託して、労働者を悲惨この上ない状況に陥れたことをよく知っている。
なにより、わたしも生まれついての労働者のひとりなのである。
それなのに新総理と連合の会長さんの仲良し会見をみて不安になるのは、戦後の日本では労使の関係が、いくらか資本家のほうに有利であったとはいえ、まあまあいい関係を保ってきたと思うからである。

とんでもないという人は、諸外国の実情を見てみればよい。
なんのかんのといっても、資源を浪費し、地球温暖化に貢献するほど豊かな (?) 国は、アメリカやヨーロッパの先進国をのぞけばそんなにはない。
発展途上国では日本よりずっと貧しく、選挙で自由な意思を示すこともできない国も多いけど、日本では国民がその気になれば、政治家にお灸をすえることもまだまだ可能なのである。
不平不満は誰でももっていると冷静に考えれば、こういう社会を築いてきた労使の関係が、まあまあいい関係にあったといっても言い過ぎではないのではないか。

だからわたしはその一方だけに肩入れすることを、あまりいいことだとは思わない。
わたしが新政権に冷や水をぶっかけるようなことを言うのは、社会党や共産党の推薦する、つまり労働者よりのミノベ君が都知事をつとめた東京都や、もっと大きな事例ではソ連や中国の社会主義政権の例が念頭にあるからかもしれない。
労働者といえども完璧な人間ではないのだから、新政権に必要なのは、労使のどちらとも毅然とした一線を引くことではないだろうか。
冷酷だとか裏切り者と思われようとも、である。

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