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2009年9月22日 (火)

昨日は宮沢賢治の命日だったそうだ。
わたしは賢治の熱烈なファンだけど、命日まではおぼえていなかった。
ここはやはり何かひとつ、彼についてふれておかなくちゃいけないだろう。
しかし彼について語る書物、語る人々は巷にあふれている。
そんな中でわたしの書くべきことが何か残っているだろうか。
うーんと考えたけど、原稿料をもらえるわけでもないブログに頭を使っても仕方がない。
ここは彼の詩の中ではあまり世間に知られていないけど、わたしの好きな詩をどかんと紹介しておくのが、手間もヒマも頭も使わなくていい。
開墾地で働く馬の死と、それを葬る貧しい農民家族のようすを描いた 「馬」 という詩で、平易な表現の中に悲しみがそくそくと伝わる佳作である (とわたしは思う)。
  いちにちいっぱいよもぎのなかにはたらいて
  馬鈴薯のやうにくさりかけた馬は
  あかるくそそぐ夕陽の汁を
  食塩の結晶したばさばさの頭に感じながら
  はたけのへりの熊笹を
  ぼりぼりぼりぼり食ってゐた
  それから青い晩が来て
  やうやく厩に帰った馬は
  高圧線にかかったやうに
  にはかにばたばた云ひだした
  馬は次の日冷たくなった
  みんなは松の林の裏へ
  巨きな穴をこしらえて
  馬の四つの脚をまげ
  そこへそろそろおろしてやった
  がっくり垂れた頭の上へ
  ぼろぼろ土を落としてやって
  みんなもぼろぼろ泣いていた

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