イエロー・サブマリン
ビートルズのCDのリマスター版とかいうのがすごい人気である。
わたしはビートルズの曲のすみからすみまで知っている熱心なファンだから、そのCDに興味がないわけでもないけど、いい音響で聴くためにはいい音響設備が必要なことを知っているし、なにより、いま持っている音楽をもうひとつ買い揃えるほどサイフに余裕があるわけじゃない。
宝くじでも当たらないかぎり、彼らの音楽は若いころの感動とともに、思い出の中に封印しておくのが適切じゃないかと思っている。
そんなことよりネット・ニュースにちと気になる記事が。
1968年に公開された 「ビートルズのイエロー・サブマリン」 というアニメ映画が、ディズニーの手で3Dアニメとしてよみがえるらしい。
わたしがこのオリジナルの 「イエロー・サブマリン」 の絵を最初に見たのは、週刊文春か新潮か、この映画を紹介する週刊誌のグラビア記事だったけど、すでに地位を確立した有名作家のものは別にして、ひと目見ただけで強烈な芸術的センスを感じる絵というものは、そんなにたくさんあるわけじゃない。
だけど、「イエロー・サブマリン」 の絵を見たときはショックだった (添付した画像がそれ)。
なんてことのない絵じゃないかという人は、1968年にさかのぼって青春を体験してみればいい。
マンガ青年だったわたしは、それから公開までのほんのわずかな期間を一日千秋の思いで待ったものである。
オリジナルのアニメを作ったのはジョージ・ダニングというカナダ出身のアニメーターで、なんでもアニメの詩人とよばれていた人だそうだけど、極端なデフォルメ、ゆたかな色彩感覚と斬新なポップ感覚、音楽と愛を融合させた当時のビートルズのポリシーぴったりのストーリーなど、ものすごい才能のある人がいるもんだと感動したものだ。
ここに載せた画像の左上にあるのが彼の写真。
彼は1979年に59歳で早逝したけど、写真をみると前頭部が出ていて、そういえば谷内六郎さんに共通する異常な天才の風貌だなあなんて思ってしまう。
こう書いてから、ふと気になって調べてみたら、谷内六郎さんもほとんど同じ年齢で亡くなっていた。
異常な天才の寿命というのはこのくらいなのか。
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