荒馬と女
ジョン・ヒューストンはわたしが五本の指にあげる映画監督である。
彼の 「荒馬と女」 という映画がBSで放映された。
まだほんのちょっと前にも放映された映画だけど、そのときは録画しそこなったので、今回はありがたく録画させていただいた。
モノクロの現代西部劇で、この映画に出演していたクラーク・ゲイブルとマリリン・モンローの遺作になったと、変な話題で有名になってしまった映画でもある。
この映画の主要テーマは、荒野で野性馬を捕獲するのが商売の男3人と、彼らのモンローをめぐる三角、いや四角関係というトコか。
四角関係といってもそこはそれ、つまらない焼きもちではなく、本来は友情でむすばれた男たちがちらりちらりとみせる大人の確執なのである。
さすがはジョン・ヒューストンといいたいけど、ま、そんなことはどうでもいいや。
この映画では野性馬の捕獲シーンが見ものである。
複葉機で野性馬を追い込み、トラックから投げ縄を投げ、最後は荒馬をロープでからめとるんだけど、役者はスタントでも馬は本物の野性馬らしく、じつに迫力満点である。
こころやさしい都会女のヒロインにはショッキングな光景で、いろいろ揉め事が生じるんだけど、男たちはそんなセンチな気持ちを受けつけない。
男を描くのが得意なヒューストン監督の真骨頂だ。
やはり男を描くのが得意だったハワード・ホークス監督には、アフリカでサイを捕獲する映画があったけど、こういうことになるとアメリカの監督はインチキをしないので、本物の野性馬やサイが登場するのである。
しかし最近のアメリカではインチキがまかり通る。
例のCG (コンピューター・グラフィック) というやつで、わたしにいわせるとこれは全部インチキである。
ティラノサウルスが登場したってなんだって、そんなもんはコケ脅しで、迫力なんかぜんぜん感じないぞ。
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