アカトンボ
台風で中断を余儀なくさせられていた散歩に、ひさしぶりに出てみたら、どこからともなくキンモクセイの甘酸っぱい香りが鼻をついた。
そういう時期なんだよな、ものさびしい季節の始まりは。
キンモクセイは本来は 「金木犀」 と書く。
こっちのほうが文学的だけど、コンピューターで検索するのにはカタカナ表記に統一しておいたほうが便利だ。
そういうわけで朝日新聞も、動植物の名前はほとんどカタカナ表記になっている。
けしからんとか美しい日本語を使えなんてことはいわない。
わたしのブログもその傾向があるのだから。
散歩道でアカトンボ (カタカナ表記だ) を見つけた。
キンモキセイの出てくる小説や詩は、いますぐに思い浮かばないけど、アカトンボなら三木露風の童謡が有名だ。
アカトンボという言葉は、昔と現代ではイントネーションが微妙に変化して、アカの部分を強める発音と、全体を平たんに発音するものがあるそうだけど、作曲者の山田耕筰はちゃんと古風なイントネーションで作曲したという。
昔の人は日本語のそういう点にもこだわったんだなと思いつつ、カタカナ表記指向のわたしとしては忸怩たる思いがないでもない。
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