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2009年10月 6日 (火)

クリーム

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テレビで 「クリーム」 の再結成コンサートを観た。
1960年代の後半から1970年代にかけて活躍したロック・バンドは、それこそキラ星のごとくだけど、ビートルズのように主要メンバーがあの世に行ってしまって、永遠に再結成が不可能になったグループも多い。
なにしろ、えっ、もう40年も経つのかと、確認しようとしてこっちも一瞬おどろくほどの歳月が流れているのだ。

幸せなことにクリームのメンバーは全員 (といっても3人しかいないけど) 存命中。
このうちのいちばん若いエリック・クラプトンでさえ1945年生まれだから、彼らが再結成したってこれは年金老人のバンドである。
そういゃジャック・ブルースなんか足もとがよたついていたみたい。
※写真はネットで見つけた若き日のクリームの写真。 左からジンジャー・ベイカー、ブルース、クラプトン。

わたしはクリームをリアル・タイムで聴いた世代だけど、はじめてその音楽を聴いたときの衝撃を忘れない。
なぜか評判のわりにはラジオで放送されることが少ないバンドだったので、ウワサや批評だけを頼りにとりあえずレコード屋へ行ってみた。
彼らの最高傑作とされる 「クリームの素晴らしき世界」 を手にとってみたら、当時のアナログLPで2枚組だった。
買ってみたあとでつまらなかったら困るなと思ったけど、わたしはレコードを買うとき、その演奏者の最高傑作を最初に買うという音楽グルメであるから、清水から飛び降りる覚悟で購入した。

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家に帰ってレコードをながめると、2枚組の 1枚はスタジオ録音で、もう 1枚はライブ盤だった。
このライブ盤にはたったの4曲しか入っておらず、演奏時間が 15分を超えるものがふたつある。
このふたつがハズレだったら最悪だなと不安なまま、レコードに針を落としてみた・・・・・・

この瞬間から、オーバーな表現をすると、わたしの音楽世界の新しい扉が開いちゃったといっていい。
これ以前のわたしは、せいぜいビートルズやストーンズを聴くていどの、ま、ありきたりのロック・ファンだったけど、これ以降はジャズやクラシックも含めた、あらゆる音楽を積極的に聴こうという、音楽の探究者?になるのである。
わたしが難聴になったのもこれ以降かもしれない。

クリームがラジオで放送されることが少なかった原因は、彼らの神髄が10数分にわたってえんえんと続くジャズのような即興演奏にあったせいだった。
スタジオ録音されたラジオ向けの名曲もいくつかあるけど、ライブ演奏を聴かないかぎり彼らの素晴らしさはわからないといえる。
彼らが短期間の活動期間を終えたあと、似たようなバンドや演奏者がつぎつぎと出現したけど、クリームを超えるどころか、匹敵するようなバンドはひとつも出てこなかった。
ただひとり、クリームと並び立つんじゃないかと思える即興演奏の名手がいて、それはジミ・ヘンドリックスだけど、彼についてはべつの機会に書こうと思う。

添付した画像は、上が説明不要の3人のメンバー。
下は彼らのアルバムふたつで、左がメタリック印刷の 「素晴らしき世界」 と、右がサイケデリック・アートの 「カラフル・クリーム」。

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