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2009年11月 9日 (月)

秋深しの2

263

散歩に出かけてもつまらない季節になった。
花も咲いてないし、めずらしい動物、昆虫も見かけない。
天気は安定して晴天が続いているのにもったいないことである。

わがアパートのベランダにも枯葉がつもる。
これは自然がゆたかな証拠だし、なかなか情緒があって、べつに落葉焚きのヤキイモが食べたいわけじゃないけど、わたしはいい秋景色だと思っている。
ところがおばさんたちはそうじゃない。

以前住んでいたアパートには、玄関わきに小さなケヤキの木があった。
夏はいい日かげになるので重宝していたところ、近所のおばさんたちから苦情がくる。
なんでも葉っぱが落ちてゴミになるからなんとかしてくれというのである。
葉っぱが落ちるのがケシカランといってたら、世間の樹木なんかそうとうに肩身がせまいはずだ。

それに、そんなことをいわれたって、わたしはアパートの間借り人なので、ケヤキはとうぜん大家さんのものである。
文句は大家さんに言ってほしかったが、大家さんは江戸川区に住んでいて、府中在住のおばさんたちの声はなかなか届かないのだそうだ。
たまたまわたしが話のわかりそうな好青年だったせいか、苦情はみんなわたしのほうにくるのである。
自然や樹木を大切にしましょうなんてスローガンはよく聞くけど、おばさんたちにとって自宅の近所だけはそういうものは無視したいらしかった。
こういうところにも世間の本音とたてまえの違いが如実にあらわれるものである。
世間を動かすのはおばさんたちなのだから、わたしも仕方なしにときどき枝を落とすことにした。
おかげで近所でわたしの評判はなかなかよかったようだ。

ベランダにつもった枯葉をながめていると、当時の近所のおばさんたちの顔がつぎつぎに思い出される。
秋は感傷的なものである。

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