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2009年11月16日 (月)

味覚について

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前項について追記。

最近は街のレストランも大変である。
ネット上には個人が勝手に書いたレストランの評価記事があふれている。
まるで一億総ミシュランガイドの隠密審査員になったみたいで、中にはこういう記事を参考にして、あっちこっち食べ歩きをしている人もたくさんいるらしい。
店にしてみれば、まずいなんて書かれたら売り上げに影響するだろうし、だからといって書くなともいえない。
しかし味なんて、それこそ個人の主観で、オーバーにいえばその人のこれまでの人生などにも影響される不確実なものなのだから、こういう風潮はいかがなものかと思ってしまう。

たとえば最近は新傾向のラーメン屋が大流行りだ。
たいてい女の子にも好かれそうなこぎれいな店で、今ふうの若者が黒い前掛けなんかして、忙しそうに働いていたりする。
わたしも何度かそんな店に入ってみたけど、味はイマイチ、そのくせ海苔やチャーシューがてんこ盛り。
味よりも添え物で勝負しているみたいである。

そういう店が、どういうわけか、いつもだいたい混んでいる。
わたしはこういうラーメン屋のラーメンを好まない。
わたしの好みは吉祥寺駅前にある、カウンターしかないちっぽけな中華料理店の、あんかけこってりのモヤシソバである。
そりゃお前の勝手だといわれそうだけど、そ、論点はそこにあるのである。
お前の勝手だという味覚というものを、個人がエラそうなゴタクを述べていいんだろうか。
いったい誰の舌が世間一般の評価基準だというんだろう。

というわけで、わたしは食の体験談は書くけど、店の名前はあかさない。
わたしが味覚の分野でも世間の常識はずれな人間であることは、自分でよく承知しているのである。

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