司馬遷
またぞろ中国の紀行記を再開しようと、その前段として 「史記」 にときどき目を通している。
この本は王朝や人々の伝記を集めた本で、一貫したストーリーがあるわけではないから、つまみ喰いみたいにどこから読んでもかまわないところがいい。
「史記」 を書いたのは司馬遷という人である。
いつごろの人かというと、紀元前の人である (この場合はキリスト紀元)。
紀元前なんて書くと北京原人とあまり変わらないように思われてしまいそうだけど、キリストよりすこし前の時代の人といえばいいか。
もちろん写真もないし、絵画もまだ写実という段階に達してなかったころなので、キリストの顔がわからないように、今となっては司馬遷さんもどんな顔をしていたのかわからない。
絵画などにキリストは繰り返し描かれているけど、もちろんそれらは想像の産物である。
創設時にはキリスト教も官憲からオウム真理教とおなじ扱いを受けていたのだから、キリストももしかすると麻原彰晃みたいな太った男性だったかもしれない。
司馬遷についても肖像画はいくつか残っているけど、これはたぶん後世になってから想像で描かれたものと思われる。
ただ、たいていヒゲもじゃで長髪の男性として描かれるキリストとちがって、司馬遷の顔にヒゲが描かれることはゼッタイになかったはずだ。
なぜかっていう人は、おなじ 「史記」 の中によく登場する宦官という職業について考えてみればよい。
当時の中国には残忍な刑罰があったのである。
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