サルガド
土日に餅つきなんかやっていたら、録画したテレビ番組がたまってしまった。
そんな番組の中に報道写真家セバスチャン・サルガドを紹介する、日曜美術館の番組があった。
サルガドはあまり言葉では語らない人だそうだけど、今回は特別サービスだってことでNHKのアナウンサーにいろいろ話をしている。
じつはわたしは、作品は何度も見たことがあるけど、彼がどんな人なのか知らなかった。
番組に登場した彼は、頭をそりあげた剽悍そうな男性で、CIA長官でも務まりそうな冷酷な感じの人だった。
しかし彼はもともとは経済学者だったそうで、1992年に労働者をテーマに撮影をしていたころの映像でみると、鼻の下にオットセイのようなヒゲを生やした、そのへんの研究所の用務員みたいな人だった。
過酷な現実を追い続けてきたおかげで、肉体と精神のよぶんな部分がそぎおとされてしまったのかもしれない。
わたしがはじめて彼の写真を見たのは、なんかの写真雑誌で紹介されていた、南米の鉱山で働く労働者たちの写真だった。
これは巨大な露天掘りの金山に、アリのようにむらがる労働者をとらえた、ハリウッドのスペクタクル映画を足もとにもよせつけない、おそろしいまでに大迫力のモノクロ作品である。
こういう写真を見ていると、写真が1000の言葉よりも雄弁に物語るものであることをまざまざと教えられる。
というわけで、わたしもサルガドを気取って、モノクロ写真を2枚ばかり。
中国で撮った写真だけど、意味深長そうで、じつはなにも語っていないゾといわれそう。
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