ラスト・エンペラー
昨日テレビ放映された 「ラスト・エンペラー」。
夜の9時から放映だっていうから、2時間半も録画設定しておけばいいだろうと思ったら、これでも尻切れトンボになってしまった。
ディレクターズカット版ということだけど、監督があらためて編集しなおすと、だいたい元の作品より長くなる傾向がある。
すばらしい作品ならそりゃ結構だけど、すばらしい作品は、特にこのごろはあまり多くない。
わたしは忙しいのだ。
長けりゃいいってもんじゃないよ、ホント。
アカデミー賞を受賞した大作だそうだけど、わたしにはその受賞がどこか信用できない部分がある。
なぜかと考えたら、この監督の映画はずっと昔に 「ラストタンゴ・イン・パリ」 しか観たことがなくて、それが期待はずれの (前評判ではもっとものすごくイヤらしい映画のはず)、つまらねえ映画と思ったことがあるからだ。
すこしは監督も進歩したかいってなわけで、中国の近代史に関心のあるわたしは、最後までガマンして観た (必要な部分以外は早送りで)。
たしかに清王朝のけんらんたる偉容を映像化したという点では見上げたもんだ。
紫禁城で撮影されたという即位式の荘厳、華麗、金ピカピカのシーンは、ロシア映画の「イワン雷帝」の即位式に匹敵するくらいハデだ。
旅行者が北京まで出かけても、せいぜい故宮の殺風景な赤壁ぐらいで、こんな儀式が見られるわけではないから、バーチャル旅行としてもおもしろい。
おそらく西洋人が見たらこれだけで幻惑されてしまうにちがいない。
アカデミー賞を上げてしまおうって気になるにちがいない。
主役の役者はなかなかいい男だ。
実物の溥儀という人はちょっと頼りなさそうな人物だったけど、映画はべつにして、わたしはこの人に、日本のかいらいというだけではない、本物の人間の悲しみみたいなものを感じているので、いろいろと関心を持っているのだ。
映画の中に川島芳子みたいな男装の麗人が登場していたけど、このへんはマンガチック。
それにしても女優はブスばかりで、西洋人が期待するアジア系の美人てのはみんなあんなものかと思ってしまう。
土屋アンナみたいなのがヒロインをやったら、これはエジプト人のクレオパトラをエリザベス・テイラーが演るようなもんだろうけど。
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