ヤオトン
テレビを観ていたら、中国の洛陽の近くにある洞窟住居ヤオトン (窰洞というむずかしい漢字を書くので文字化けしなけりゃいいが) を紹介していた。
これは地面を四角く掘りぬき、その垂直面にさらに横穴を掘って、そこを人間の住居にしたものである。
地面の下の洞窟なんて聞くと、日本人にはさぞかしホコリっぽいんだろうなあと思われるかもしれないけど、じつはそれほどでもない。
それほどでもないということをなぜ知っているかというと、じつはわたしは洛陽へ行ってきたことがあるからだ。
ヤオトンにも入ってみたことがあるからだ。
※写真は西安の近くで見たヤオトンとその内部。
よりによって地面の下なんてと考えるむきは (あまりいないだろうけど)、異文化というものへの認識不足だ。
あちらからすれば、日本人が木造の家屋に住んでいると聞けば、火事になったらよく燃えるだろう、ぶっそうなところに住んでいるもんだなと思うだろう。
それはさておき、夏は涼しく冬は暖かいヤオトンは、天然のエコ住宅なのだ。
そういう快適な住居が不愉快なコンクリートの新興アパートにとって代わられたとは思えないから、まだまだ西安や洛陽近辺には、大地にあけた穴の中で幸福に暮らしている人たちがたくさんいるにちがいない。
テレビではヤオトンは埋め立てられて数が減少したなんて言っていたけど、わたしが中国を旅した1995年から2005年にかけては、まだまだ列車の窓からもたくさんのヤオトンが見られた。
ヤオトンのある村では、いたるところにトウモロコシの種子が広げられ、種子をとったあとの茎や殻が山のように積み上げられていた。
そしてヤギやニワトリや、近所のガキどもが放し飼いで元気に走りまわっていた。
テレビで紹介されていたそのまんまの、どこか郷愁をさそわれる景色である。
あ、また行ってみたいなと、衝動がむらむらだけど、この不景気でわたしのサイフもだいぶ軽くなってるし、郵便貯金の残高もかんばしくないからなあ。
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