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2009年12月14日 (月)

平山郁夫

画家の平山郁夫さんが亡くなって、NHKのアーカイブでその特集をした。
わたしはこの人が大御所になってからその絵を知ったので、それほど作品を買っているわけではない。
だからブログに書くつもりもなかったけど、シルクロードを旅していたとき、敦煌の莫高窟にこの人の大きな肖像画が飾られていたなんてことを思い出した。
となりに某新興宗教の代表の肖像画もならべてあったので、ロクなもんじゃないと思ってしまったのがこの画家には気のドクだった。

この人の絵は、よく場末の中華料理店の壁に貼られているカレンダーになっているのを観ることもある。
東郷青児画伯の絵もそうだけど、カレンダーなんかに使われると、わたしはどうもその絵に尊敬の念をいだけなくなってしまうのである。
おそらくわたしが平山画伯と同世代なら、そして彼のデビュー当時を知っているなら、評価もぜんぜん違っていたことと思う。

生まれた時代がちがうという理由で、わたしは平山郁夫の正常な評価ができないんだけど、けっしてけなす気にもなれない。
画業ではなく、政治方面でこの人はそれなりのことをした人だと思う。
絵がマンネリにならないようにと、どこまでも新しい画風を追求するのもけっこうだが、常識という芸術家にあるまじき個性をもった画家なら、ほかにやるべきことはある。
芸術を保護するためにさまざまな政治運動をしたと、へそまがりのわたしもそういう分野の評価はちゃんとしているのである。

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