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2010年1月 8日 (金)

天地英雄

観る時間はないくせに録画してしまった映画がDVDプレーヤーの中にいくつか。
その中の 「天地英雄」 という映画をちらりと観てみた。
タイトルからしてなんだかよくわからないけど、遣唐使役の中井貴一が活躍するから中国の唐の時代の物語らしい。
登場する鎧武者たちは、これいったいどこの国のいつの時代の服装なのってなモン。
中井貴一がお尋ね者を切ったあと、すらりと刀をサヤに収めるところなんか、もろに日本のサムライ映画である。
調べてみたら、日本の遣唐使がシルクロードの砂漠の国へ派遣されて、お尋ね者を追いかける話だというから、荒唐無稽の代表みたいな映画だった。
これを観てふと考えた。

わたしは中国のシルクロードを列車で旅したことがあり、車窓から天山山脈の険しい斜面を、モンゴルやカザフ人たちが馬に乗って駆けまわるのを見たことがある。
おっ、こりゃ西部劇になるな。 マカロニ・ウエスタンならぬラーメン・ウエスタンかと、そのとき思った。
冷静にみれば西部劇の名作 「荒野の決闘」 だって荒唐無稽な映画といえなくもない。
米国のこの手の映画では、登場するのは白人とインディアン、あとから黒人ぐらいのものである。
しかし中国は太古のむかしから多民族国家で、漢族を始めとして、匈奴とよばれたモンゴル族、ぜんぜん顔立ちの異なるイスラム圏の人々、チベットや南方の少数民族など、さまざまな民族が抗争を繰り返してきた、冒険活劇の歴史をたっぷりともつ国である。
荒唐無稽でいいならこれほどキャラクターの豊富な国もないんじゃないか。
しかも背景はグランドキャニオンに匹敵するような岩だらけの荒野から、アラビアみたいな砂漠、雲南省あたりには亜熱帯性の密林もあり、各地にロマンを感じさせる広大な草原もある。
昨今の映画ファンは、まじめな映画よりも荒唐無稽を好むようだから、中国が映画大国になるにつれ、「天地英雄」 みたいな映画がますます増えるのではなかろうか。

ところでこの映画のタイトルについて、ずいぶん気宇壮大なものと思っていたけど、じつはそうじゃないんじゃないか。
この映画の舞台になっている針葉樹の森や湖のある場所は、かってわたしがじっさいに見てきた、新疆ウイグル自治区にある天という湖のあたりによく似ている。
天地英雄は、じつは天の英雄という意味だったんじゃん。このほうがよっぽど映画の内容にふさわしいド。

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